2020年、AppleとARが中吊りを変える。

AR(拡張現実)をご存知でしょうか。
ARとは、現実世界に様々なデータを融合させる技術を指します。例えばこれ。

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Source:PokemonGo公式

今もなお、大流行しているポケモンGOです。ポケモンGOはAR技術を使っています。現実世界とポケモンというデータを融合させています。

 

実は、この素晴らしいAR技術に人知れず未来を掛けている会社があります。
その会社とは…なんとあの大企業「Apple」です。

一体なぜAppleはARに舵を切ったのか。ARに見せる未来とは何なのか。
今回はそんなお話をしようと思います。

 

事の始まりは2017年

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Source:Apple

2017年6月、世界開発者会議「WWDC」にてAppleはiOS11の新機能として”ARKit”を発表しました。ARKitの特徴は、特別な機材なしにiPhone一台だけで高品質なARを実現できること。ここの「iPhone一台だけで」というところ、ものすごく重要です。

 

"1,200,000,000"の力

WWDCから3ヶ月後の9月20日、AppleはiOS11をリリースしました。

多くのiPhoneユーザはiOS11をインストールし、ポケモンGOなどでARを楽しんだのではないでしょうか。実はこうして世界中がARで楽しむ中、AppleはユーザのAR活動データを収集しています。

つまりAppleは、一挙に12億(※)人分のARデータを取得することが可能なのです。

※2017年8月時点のiPhone累計販売台数

これほど大量のARデータを取得できる企業は他にはありません。まさにARの巨人。

こうして集められた膨大なデータは、さらなるAR開発に充てられます。

 

たった1年で大幅に進化

ARKitが発表された1年後、ARKit2が発表されました。ARKit2はマルチプレーヤーに対応し、同じ仮想世界を複数の人たちで共有することができます。

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Source:Apple

さらにAR自体の性能も向上しました。床や壁などの空間を認識する性能が飛躍的に向上したのです。たった1年でこれほど進化できるのは膨大なデータがあるからこそですね。

 

Appleの大発明

Appleが開発するARは今後さらに進化します。

2007年1月7日、Apple基調講演にてスティーブ・ジョブズは次のように述べました。

数年に一度、すべてを変えてしまう新製品が現れる。 

その言葉の通り、Appleは業界に革命を起こす新製品を数年に一度発表しています。

  • 1984年 Mac発表
  • 2001年 iPod発表
  • 2007年 iPhone発表
  • 2014年 Apple Watch発表

そして2020年、Appleは新たに「メガネ」に革命を起こそうとしています。

その布石としてAppleは、2017年に次のような特許を取得しています。

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マップデータとAR技術の統合を表す特許

Source:AppleInsider

ちなみに、2017年の特許数ランキングではAppleは11位、トップ10圏外ですがそれでもAppleは2,229件と膨大な数の特許を取得しています。その中でも、「AR」に関連する特許は年々増加しているそうです。

 

これまで「PC」「音楽」「携帯」「時計」など様々な業界に革命をもたらしてきたApple。Appleの開発する眼鏡は眼鏡業界はもちろんですが、実は広告業界にも革命をもたらします。

 

Appleメガネから見える世界

Appleメガネは現実世界とデータを融合させるデバイスです。これにより現実世界に変化をもたらすことが可能です。

たとえば、電車の中吊り。

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現在の中吊りは、乗客ひとりひとりの好みに合わせることができません。誰が見るのかわからないから、万人受けする広告を吊るすことしかできないのです。当然、興味のない人にとっては全く無意味な広告となります。

しかしここにARが加わると、中吊りは一変します。

仮に、乗客全員がAppleメガネをかけたとすると次のようなことが起こり得ます。

同じ電車に乗っている乗客が同じ中吊りを見ているのに、その人によって中吊りの内容が変わる。ある人にはその中吊りが化粧品の広告に見え、ある人には週刊文春の広告に見える。メガネを外せば、中吊りは真っ白な紙だ。

 

ARが普及することでまるで現代のネット広告のような、ユーザに興味に合わせた広告が現実世界にまで拡大していきます。

AppleがARメガネを発表した瞬間、広告業界は一斉に立ち上がるでしょう。

「Appleの製品の魅力」と「広告業界の企み」がAppleメガネの普及を加速させます。

 

広告から逃げられない世界は、もう目前に迫っているのではないでしょうか。